【2003年12月】

12月19日(金)  パリの個展が無事終了しました。
お蔭様でパリでの個展が無事終了いたしました。
数々のご支援とご声援を感謝します。

はじめは3週間という短い時間で準備をしなければならず、まともな作品がそろうか危ぶまれたのですが、幸いにも再描した水彩画が多くありましたので、描きかけの油彩と以前の油彩に描き加えたものを展示することでそれなりの質と量の作品ををそろえることができました。またそれぞれの作品の仕上がりもほぼ満足のいくものとなりましたし、展覧会としてはよかったと思います。

ただ、私は作品製作にかかりきりで、広報のほうは家内と友人に頼りきりだったので案内状の発送リストにも目を通せなかったのでかなり漏れがあったかもしれません。
しかしそれも短い準備期間ということで、いたしかたないところです。

会場の環境としてはよかったのですが、画廊の奥で人目につきにくい場所だったのが難点です。それにしては画廊代が高かったのと。ポスターも表に出してもらえないのはかなりのマイナス点でした。
一つ勉強になったのは画廊代は交渉次第でどうにでもなるということです。
階下で展覧会をしていたLee さんは300ユーロだったのに私のは1300ユーロでした。こりゃいくらなんでも違いすぎる。
蚤の市でも何でも言い値で買っ手しまう世間知らずには厳しい現実でした。もっと賢くならなければ。

12月5日(金)  そろそろ疲れが
ここ2週間まともな睡眠を取っていないもので、常に眠い状態になってきています。
絵の調子はすこぶる快調で、だいたい絵を描くうえでのパターンが3種類あることに気が付きました。
画像をお見せできればよいのですが、今はとてもそこまでやってられません。
ごめんなさい。

一つ目は、昔ながらの作業工程で、基本型。
下地、中塗り、仕上げ。
これがうまくいった場合仕上がりはとてもきれいで無駄がありません。画面も堅牢です。
しかしどうかすると、この行程がうまく区切れない場合があります。どういうことかといいますと、下地はデッサンを含むファンデーションのそうですが、数日後デッサンの狂いを発見すると泥沼になります。デッサンとしてかなり描き込んだ状態までもっていってしまうことがあります。こうなると中塗りの状態に近くなってしまうのです。
また中塗り層で、細部の表現まで必要になってくることがあります。
次に仕上げの段階で、デッサンの狂いがみつかったり、色合いの大きな変更をしたくなるときがあります。その時は今までの苦労は水の泡で、最初の下塗りの段階にまで戻してしまうこともすくなくありません。つまり全体に、白色や茶色を塗ってしまってデッサンからやり直しです。
すでにそのようなことを6年も繰り返している絵があります。

二つ目は、いきなり仕上げ型。最初から部分的に仕上げ、全体にもっていきます。ミケランジェロは頭からつま先まで順順に作ってしまったという伝説があります。
時間のないときや強烈な部分をどうしても描きたいときに使います。
現場製作はこのパターンになります。
早朝の風景や花などの形が変わるものはこの方式です。
あらかじめ下地を作ったキャンバスを使用することが多いです。うまくいけば面白みのある画面になります。
この方法の最大の欠点は下地ができていないので、いくら描いても重厚な画面にならないことです。どうかすると最初から描き直したくなって絵を壊すことがあります。作品製作というよりスケッチに使います。

三つ目は1と2の混合のような描き方で、下塗りのような大まかな色層を置いたあとに数分から数時間経って生乾きの状態になったところで細部を描き込みます。これも現場製作でよく使うパターンです。
全体的な色相から入っていくので画面全体の破綻は起きにくいです。また下地層に近い層ができるのでやや重厚な感じが出ます。時間がないが作品を作らなければならないときなどの突貫工事に用います。
この方式の欠点は時間のとり方が難しいことです。
また最初の大まかな色層に失敗すると目も当てられない状態になります。

今回は時間がないにもかかわらず、1の基本の方式をとっています。同時に30点あまりを取り替えつつ描いています。
ですからまともな睡眠を取ることができないでいましたが、そろそろ仕上げの段階に近づいてきて失敗が許されないので緊張の連続です。

しかしさすがにテンションが緩んできました。作業効率も悪いので今日は寝ることにします。
ということで22時に睡眠。



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