【2001年3月】

3月29日(木)  携帯電話を入手
まず何はさておき、いろいろな人との連絡やメールを取り込むために携帯電話を手に入れることから始めます。
日本はその辺が整備されているので実に簡単に入手できます。
選択肢が多いので選ぶのに手間取りますが、比較的安価に入手できます。
今回はDo Co MoのPHSにしました。
メール受信を考えるとPHSがいいようです。
兄の家の周辺ではDoCoMoが電波の入り具合がいいみたいです。
去年はアステルにしたのですが、よく電波が途切れるので使い心地がよくありませんでした。
パソコンとの接続カードも注文したので一日待ちましたが、予定どおりに来ていました。
昨日注文していたのです。
日本は注文した物がすぐに手に入るのですよね。
流通の何てすばらしく発達していることか。
このへんは外国に住んだことのあるものには感激的です。

フランスではこうは行きません。
たいてい少なくても1週間はまたされます。場合によっては2週間かかります。
さらにひどいと忘れられます。
もっとひどいと注文と違う物が配達されたり、傷があったりします。
しかも配達料も半端じゃありません。しっかりした料金を取ります。
配達夫にチップも渡します。

サービスはすべて有料なんですよ。

3月28日(水)  日本につきました
午前11時、成田につきました。
アエロフロートは思っていたよりもサービスがよく、座席もゆったりしていて快適でした。
すっかりファンになってしまいました。
重い旅行カバンは宅配便にあずけ、身軽になって兄の家へ。
途中池袋で昼食。
半分外国人のわれわれはどこにうまい見せがあるのか知らないので、無難に西武のレストラン街に行きます。
どれ、おそばでも食べようか、と探していたのですが、おすし屋さんが目に付いたので入ることにします。
一人前1800円のにぎり寿しのセットがあったので、それを二人で分けて食べます。
さすがに昼食でひとり2000円近くは贅沢ですし、われわれはそんなに量が食べられないので・・・

日本に帰ってくるとつい食べ過ぎてしまいます。
気を付けないといけません。
その日の兄の家でのご馳走はお寿司でした(^_^;)
料理のうまい兄嫁のお寿司は数倍おいしかったのは言うまでもありません。
お昼にも食べたなんてのは内緒です。

3月27日(火)  今日出発
さて、あと数時間で日本に出発しました。
いつもながら荷物が大変です。
私は作品はすべて手荷物で持っていきます。
大き目のカバンに詰めます。
ひとつには運送関係でひどい目にあうことが多いからです。
ひとつにはぎりぎりまで作品を描いているからです。
大きいキャンバスはまるめて木枠は日本で作って張ってもらいます。
小さい物はそのままカバンに入れます。
まだ作品数がそれほどないのでこれで間に合ってますが
もっと増えたら考えます。
さて、それでは皆さん、ごきげんよう!
今回はアエロフロートなのでちょっと心配。

3月26日(月)  倉庫の友達
私の借りているアパートにはには、小さい倉庫がついています。
ここに数ヶ月前から時々お客さんが来るようになってしまいました。
いえ、ずーと以前から時々出没していましたが、最近はなぜか多いみたいです。
それはねずみです。
体長5センチぐらいのどぶねずみです。

倉庫には特に食物が置いてあるわけではないのですが、なぜか途絶えません。
あるのはワインぐらいだけど。
半年ぐらい前から、定期的に毒餌を仕掛けているのですが、かかることかかること。
20日おきに取り替えますが、毎回1匹死んでいます。
ちょっと気の毒な気もしますが・・・

今日も、数日前に見つけたねずみをかたずけに倉庫に入ったのですが、なんと3匹も死んでいました。
今回はいつもと違う毒餌を仕掛けたのです。
その説明書にはねずみの好きな穀物に薬をまぶしそれを蓋のついた入れ物に入れて仕掛けなさいと指示されていました。

どうして、蓋のついた入れ物に入れるの?
と、少しいぶかりましたが、指示どおりにしてみたのです。もちろんちょっと切込みを入れておきました。

そうしたら一編に3匹です!

説明書にはねずみは非常に用心深いとありました。
つまり隠して置くと、かえって安心して食べてしまうようです。
わざわざ出しておくと警戒して食べないのですね。

それにしても今回のは少し大きかった。
以前のは3センチぐらいだったのです。
今回のは成長した賢いやつがかかったのですね。

でも、大きいのは見たことがないです。
どこかに大人のねずみがいるはずなんですけど。

今日は下の絵を仕上げました。ドートンヌに出すのもこれにしました。


3月25日(日)  夏時間
今日から夏時間になりました。
もう、本当に春ですね。
ところで私は火曜日にフランスを発ちます。
仕事を出来るのは明日までになってしまいました。
時間制限があると言うのはクリエイターにはありがたいのですが、同時につらいことでもあります。
もっと描いたら、もっとよくなるだろうにと言う気持ちとこの果てしのない仕事から解放されたいという思い入り混じります。
私は思い切りが悪いので、いつまでもやっているタイプです。
これはマイナスですね。
知り合いに渡部さんという画家がいます。
彼は毎日外で決まった時間仕事をしています。
いつからだったでしょうか、雨が降っても必ず外に出るようにしていると言ってました。
当然土砂降りで仕事にならないこともあるのですが、なんとカフェの窓越しにスケッチをしてきます。
まさに見上げた態度です。

渡部さんの絵はここで見られます↓
http://home3.highway.ne.jp/u-rock/wtbroom.html

今日の作品↓

3月24日(土)  「南仏の窓」
手前の街灯と窓の花束の葉の陰に手を入れた。
サインも入った。
以前(20日)の映像と比べてみてください。

3月23日(金)  「朝の港」
「朝の港」が仕上がりました。
イヤー!2年もかかってしまいました。
コンセプトが曖昧だったからいけないんですね。
後ろのバラ色の空がすっかり重くなってしまいました。
もっと軽く透き通るようにしたかった。
手前の港の光景もこんなに存在感を持たせたくなかった。
苦労した割にうまくいっていない。
もう一度取材に言って丁寧なデッサンをとってこないといけないかもしれない。
あるいは常々思っているのだけれども、このような絵の場合は現場製作をしないといけないかもしれない。
現場製作は費用とか日程とか、イメージ作りの関係からなかなか出来ないのだけれども記憶に頼っていると観念的に流れてしまうし。
補助に写真を使っているけれどもものすごく悪い影響が出てしまっている。
つまり、絵がどこか仮想現実のような、コンピュータグラフィックスのような気持ちの悪さを持っている。
私の絵は、もともと現実のスケッチではない。
表現の助けとして、具象の姿を借りていますが、表したいのは光の動き、あるいは、絵の具層の絡み合いの中での視覚的快感なのです。
それはそれで、イメージ作りということではいいのですが、やはり観念的過ぎる弱さを抜け出られないの致し方ない。
では、現場製作に見られるような眼前の物体と格闘するのがいいのかというと必ずしもそうとは言えない。
ややもするとスケッチに終わってしまうし。
悪くすると技巧に走ってしまうかもしれない。
イメージの創造という一番の要をはずしてしまうかもしれない。
私のここ数年のジレンマです。

3月22日(木)  試し
サンクルーの街並みの試作です。
これは展覧会に出すかどうかわかりません。
まだ空とかを描いていないので、まるで妖怪でも出てきそうです。


3月21日(水)  「航路」
「航跡」をかなり仕上げる。
これもしつこく描いています。
はじめはボーっとした感じに描いていたのですが、さすがにそれでは作品としてもの足りませんでした。
だいぶ細部を描き加えました。

以前の状態は3月3日の日誌を見てください。


3月20日(火)  南仏の窓
「南仏の窓」が完成しました。
やれやれやっと一枚仕上がりました。

3月19日(月)  「市場の階段」
「市場の階段」を「夕ぐれの階段」に改名
一応仕上がりです。
・・・でも、何かが足りないような・・・
ま、あとでまた考えるか。
そもそもこの絵のイメージは夏の夕暮れ時の素敵に青く染まった中のオレンジの街灯なのですが、どうもイメージからずれてきてしまいました。
これまで何回描きなおしたでしょうか。
5回以上はすっかり描き直しました。やれやれ。

3月18日(日)  「菜の花畑」
「菜の花畑」
この絵もずいぶんかかってます。
3年ぐらい。麦のみずみずしい青葉の向こうにうっすらと黄色の菜の花の帯が続いていました。
街路樹がまあるく点々と繋がっていてユーモラスでした。

3月17日(土)  デッサンについて
最近気がついているのですが、なぜ油絵の基礎がデッサンなのかがわかってきました。
確かに鉛筆や木炭でデッサンをとるときの作業と筆を使って絵の具をのせる時の作業は似ています。

アングルが若いドガにアドバイスをして「とにかく線をひきたまえ」と教えたそうです。
デッサンはさまざまな線から成り立っています。
ここが重要なのです。
線はいくら細く薄くとも、面になってはいけません。
同一の暗さで、ある面を塗りたいときも線の重なりで表現しなければなりません。
決して塗りつぶしてはいけないのです。

日本の学校ではこのようには教えません。
木炭の線を布で拭いたり擦ったりして表現の多様性を教えます。
これは木炭画を教えるのであれば正解ですが、デッサンを教えるのであれば間違いです。

なぜならデッサンは訓練だからです。
できるだけ要素をはぶいて単純な状態で訓練をしなければなりません。

絵の具を筆でのせるときもその絵の具層をしっかりと置くことを覚えないといつまでたっても、しっかりした構造の絵は描けません。

日本人の作家の絵がどことなく情緒的で貧弱に見えるのはこのためもあるのではないかと思います。
ヨーロッパの作家は実に明快に線をひきます。
うらやましい。

しかし、日本でデッサンを身につけた私はなかなかしっかりした線が引けません。
とても悲しい。
もしかしたら私だけの問題かもしれませんが。

3月12日(月) 雨/晴 「ヨットのある光景」
「海上の要塞」
これで3日間続けている。
描きこんだり、描き消したり。
やや深みが出てきた。仕上げに近づいた。

「ヨットのある光景」も描き込む
写真で見るとやたらと青みがかかっていますが、そんなではありません。
微妙なニュアンスを描き込みました。
ほとんど人が見てもわからないところにやたらとこだわって描いています。

3月11日(日)  「海上の要塞」
昨日と同じ

3月10日(土) 雨 「海上の要塞」
今日は「海上の要塞」に3回目の描き込みを行った。
これはフォーボワイヤーという海の中に建てられた要塞です。

3月9日(金) 曇 宮沢賢治
「宮沢賢治童話館」
http://www.cypress.ne.jp/why/douwa/sinla2.html

を見つけました。ラッキー!
すごくうれしい。
さっそく『注文の多い料理店』 (イーハトヴ童話) を読みました。
この人の世界は好きです。

3月8日(木) 雨/曇 「市場の階段」
「市場の階段」を描き込む
もっといい題名はないかな?
「プレオシン階段」にしようか

滞在許可証の延長の申請に県庁に行ってくる。
問題なく受け付けてくれた。
滞在許可証に関しては、かなりトラブルを聞くのですが、私の場合はけっこうすんなりいっているみたいです。
今回は十年の許可をを申請しました。
県庁からの帰り道で、自動車のナンバープレートの製造をやってる出店があったので作ってもらいました。
一週間前に壊されたままで困っていました。
ラッキー!

3月7日(水) 晴 また、日記をつけ始める。
最近展覧会用の作品製作に追われていて、製作日記を怠りがちでした。

今日、日記用ソフトがバージョンアップしましたので、これを機会にまたつけ始めます。
以前のものは画像が入らず、自分で加工していたのでちょっと面倒でした。
今回は自動で入るので使い勝手がいいです。

使ってる日記ソフトはABCDiaryといいます。
http://member.nifty.ne.jp/homelabo/

今でも、デジカメで撮影した写真をそのまま載せられるわけではないので、サイズを修正したり、製作に打ち込んでいるときなどはちょっと辛いです。
ただいまは深夜です

今日は展覧会用の作品「夏の夜の賑わい」00561に手を入れた。
これはラロッシェルの港町を埠頭のほうから見たところです。
夕暮れ時の町の灯が幻想的でした。


3月6日(火) 快晴 今日はいい天気
今日はすばらしくいい天気でした。
もう春ですね。
花もムズムズします。
パリは日本ほど花粉がひどくはありませんが、それでもけっこう来ますね。
ここのところ、ヨーロッパでは家畜の伝染病の話題で持ちきりです。
狂牛病以来すさまじい勢いです。
今度のは空気感染するとかで深刻です。

3月3日(土)  「航路」
全体を整える
なんだかボーッとしました
でもこれが最初のイメージです。

3月1日(木)   0109 「曇」
0109 「曇」
少しのデッサン



 powerd by Peecle